ミュージカル青春鉄道2(鉄ミュ)感想

 よし! 神戸千秋楽も終わったし書いていいな!

 

 11/11(金)鉄ミュ感想です。ネタバレ注意です。ネタバレほんへ下げがてら、原作『青春鉄道』とはどんな話なのかご紹介しましょう。これは鉄道路線の擬人化で、当然の権利のようにキャラクターのほとんどが男性です。つまり腐女子の、楽園ってこったぁ!鉄道要素に期待しすぎると痛い目を見ますが、ヘタリアで世界史を勉強するのと同じくらいの効果は、見込めることでしょう(適当)。

 擬人化には付き物ですが、この漫画は路線の数だけキャラがいるのです。つまりそんだけたくさんいれば、好きなキャラたくさん見つかるな? ってわけで、ライトな気持ちでブヒブヒ言うタイプの漫画のミュージカル化が今回のトピックだと思ってくださればOKです。じゃけんネタバレありのほんへ行きましょうね~

 

>全体の所感

 ミュージカル第2弾です。まず真面目な所感としまして、こちらは第1弾より既存のファン向け色彩が強いです。原作の漫画は同人→商業で、ミュージカル第1弾の話はすべて商業からの引用でした。しかし今回は同人作品でのネタ(※筆者は思想信条の理由で同人を読んでいません)がそこそこ入っていて、キャラの絡みや掛け合いの楽しさを重視した作風になっています。つまりそれだけ鉄道の運行に関するネタが少なくなっています。そのため、『ミュージカルで青鉄見たいよ』『キャラは鉄道路線なんだよね?』って人は順当に第1弾から見るのがいいんじゃないかなーと思いました。自分としては、入手の機会が限られるうえシリアス傾向な同人の話が多いと、商業勢的にちょっとマイナス評価をしたくなる(表向きに出てるはずの商業本のファンは無視かよみたいな気持ちになるため)のですが、今回の同人由来の話はコメディ系で、きちんとメイン筋は商業だったのでとくに文句はつけないことにしました。同人の話はできれば少ないほうがありがたい人間も、まあいるにはいるということで。今回くらいのバランスなら商業だけ見てる人でも◯。ファンサービス要素もミュージカル第1弾ネタが多かった印象。もう見たよって姉貴兄貴たち向けには、西武万歳!のいつものコールや上画面のネタ振りも健在。声姉貴がキャラクターたちを煽ったりいじるシーンも増えた感。国歌(※メインテーマのこと)でのキャラクター同士のセリフ掛け合いが追加。東北「こまちが可愛くない、天狗みたいになった」秋田「せめてなまはげって言って!」はほんへになくて残念がっていたらここで回収されてた。そして宇都宮兄貴が……素直にご愁傷さまと言ってくれるだと……  

 女性向け漫画に有りそうな感じの下ネタとかが前より増えたような気がします。青鉄は×一般漫画 ◯女性向け漫画。これ鉄則。

 登場キャラのピックアップ度合いはそこそこばらつき有。タイトルに入ってるから長野(→北陸)・信越上越(幹)は相当な存在感があるものの、東上や西武新宿あたりは比較的出番が少なめ。安比奈はファンサービスみたいな感じ。

 全然関係ないけど労働法の勉強を開演前してたら最低賃金すらもらえないでのぞみ畑で働く山陽さんの話が出て来ておう……ってなりました。

 

>パワーアップしたあれこれ

 歌とダンス、パワーアップしてたと思います。無印のときは「え?ここで歌う?」とか漫画のセリフに音声つけただけみたいな(ミュージカルの歌の大前提として、感情の高まりを歌で表現するものというのがあるけど)歌があったりして一部の曲以外ちょっとねーと思ってたんですが。いい意味で裏切ってもらえてよかった。歌詞がブラッシュアップされて入ってきやすくなったと感じた。

 信越上越上官(※作中『上官』=新幹線)はこのお話のメイン的なとこもあって歌って踊ってしまくってましたね。夏満開の無礼講ダンス、新潟のアイドルと美味しいところをかっさらっていく。

 SEのセミ兄貴とわーいでぐちらを思い出させるデーン(絶望)連発だいすき。小道具も見てて楽しかった。山梨で振り回されたであろう傘くんと東海道弟が叩いてた木くんすき。演出も前作より細やかに。東北新幹線全通初日のところがすき。

 今回車掌さん(※開演前注意アナウンス担当)の登場シーンが多くてちょっと嬉しかったです。

 

>秋田上官はかわいい(推しバレ姉貴)

 はらぺこまちこまこま祭りは秋田の経済が活性化するのでもっとやれ。

 彼はみつこの地元路線に甘い顔をしてくれるミニ新幹線の鑑です。この二人のエピソードがもう気が狂うほど好きなんじゃ。単行本2014年度版見ろよ見ろよ(当然の権利のようにミュージカルほんへではカット。悲しいなあ……)。基本的にはさっぱり明るいキャラクターだけど、要所要所の塩対応が最強のブヒリティを誇り、人を堕落させるミニ新幹線の屑でもあります。(ガバガバ認定)

 「賢くない山形」「北海道云々」「僕じゃなくてあえて山形なんだ」とかここでも塩をバラバラ撒いていて大変ブヒれたゾ~(※原作を知らないホモのために補足をすると、塩を撒かれるのは北海道新幹線兄貴の役目です。)山形兄貴とはらぺこまち兄貴の薄い本が流行りますね……間違いない……

 『はらぺこまちのテーマ』に見られるような熊っぽい動きのダンスが可愛いので見とけよ見とけよ~ そして蹴りやビンタで熊を頃すはらぺこまち兄貴はつよい。ぜったいかてない。ブヒれる。

 

>ミュージカルなりの解釈

 俳優の読み方や仕草によって、同じシーンでもこのキャラこんなこと考えてるだろうな~って妄想が変わるのが醍醐味ですよね。長野上官と上越上官の距離感しかり、北陸上官と信越のぎこちなさだったり。前述の秋田上官の「僕じゃなくてあえて~」のところもそうですね。今回の俳優さんは皮肉っぽく読んでましたが、自分は漫画のほうでは単なる疑問風ツッコミとして読んでましたし。 知ってるはずの話でも実体として目の前で繰り広げられると、感じ方も変わるなあと。

 

>その他ここがブヒれる

 ねっとり上越上官すごくありそうでいい。それに対する長野の雑な対応は見てて楽しい。西武新宿と安比奈の旦那嫁感もバッチリ再現。ずっとN700のターンとかいってくるくるする東海道新幹線、「秩鉄ーーー!」「会長ーーー!!!」「兄さーーーーん!!」の三重奏VS京浜東北のコメディ街道爆走してる感。あとIGR・青い森・東北の3人がそろって歌うと活力が半端ではない。すごい。   

 

>まとめ

 全体的に、前作ファン向けではあるものの、頭を使わずにゲラゲラ笑いながらブヒれるミュージカル。というか、ミュージカルというより「鉄道ネタでイケメンがショートコントしてる間に歌って踊る2時間」くらいに思っておくべきだとおもう。未見の人には第1弾のほうと一緒にお勧めしたい。今回のは東日本の新幹線ファンにはたまらないんじゃないだろうか。

 

 <最後に一言>

 山形新幹線ー!山形新幹線見てるかー!?